きょうも舗道にすれちがう(著:佐々木譲)

非常に好きな作家である。
大体の人がそうではないかと思うが「ベルリン飛行指令」あたりの戦争三部作と呼ばれている冒険小説から読み始めた。
てっきり冒険小説中心の作家だと思っていたが、内容は非常に幅広い。
人の内面も含めて、さらっと書いてしまっている。悪い意味ではなく、非常に洗練されているというか、心の動きを最低限の言葉で巧みに表しているというか。あぁ、うまく表現できない。
そういえば、冒険小説って言ったって、結局は人が主人公なのであって、その人がうまく書けているから、冒険小説が、冒険小説たりうるわけだな、と。
ちなみにこの本では、恋愛小説に近いのだけど、ひねりが効いていて、それでいて、本当に普通に転がっていそうな感じがGood。(というか、怖いぞ(笑))。
★★★★★
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